NOTES ON A MASCULINE IMAGE by Davide Meneghello

ロンドンを拠点とするイタリア人アーティスト、ダビデ・メネゲッロ(Davide Meneghello)の作品集。作者の作品は写真やテキスト、インスタレーションを用いて、殊にクィアな欲望への成文化とゲイのアイデンティティの構築に焦点を当てながら、クィアネスの歴史的表現を探求する。本書で作者は、様々な印刷形式を用い、写真アーカイブに隠された過去のホモエロティシズムのイメージを考察し、ヴィンテージのスーパー8(Super 8)で撮られたボディービルのイメージ群から見受けられる「提示」と「秘匿」という相反する概念を探る。

このプロジェクトは従来在るモデルを避け、3つの主要な要素で構成されている。オリジナルの8mmフィルムからプリントした一連の画像をアニメーション化し、観るものが自由に解体、編集、再構成できるようにしたネジ綴じのブックブロック。恍惚とした努力の瞬間を優しく描写した3枚組プリント。そして、ショーン・バーンズ(Sean Burns)、アラスター・カーティス(Alastair Curtis)、ラル・デルブラシオ(Lalu Delbracio)からの寄稿を作者がキュレーションした、認識された男性らしさの概念を探求する小冊子である。

カリフォルニアの灼熱の太陽の下で撮影された男性たちは、見たり見られたりしている。「 Thinly Veiled Soft Porn」というのテキストで作家のショーン・バーンズは、「身体鍛錬の写真や映像は、永久にホモセクシャルな欲望の導線となってきた。『Notes on a Masculine Image』に登場する男性たちは、自分たちの労働から得た結果、つまり誇張され、古めかしいで脂ぎった肉体のようなものを見せている。このプリントは、あからさまなポルノと肉体的な能力に対する希薄な評価との間にある微妙な境界線を避けている。」と述べる。バーンズは、「私にとってこの画像は、私が決して到達できない視覚的な『男らしさ』の形を描いた問題作である。しかし、このコレクションは決定的な命題ではなく、『ノート(notes)』という概念は、証拠が具体的な結果に向けられていないことを示している。メネゲロは、クィアネスが従来の男性的な理想を不安定にし、それを潜在的な暴力になる可能性があることを提案する方法として、複数の回答を集めた。」と続ける。

作者のプロジェクトを出発点として、付属の小冊子に寄稿したアラスター・カーティスは、デイビット・ヴォイナロヴィッチ(David Wojnarowicz)、ヒュー・スティアーズ(Hugh Steers)や、エルヴェ・ギベール(Hervé Guibert)の生活と仕事に対する平凡な分析を通じて、男性の体格とクィアの身体への幅広い文化的認識の双方から、エイズ関連のトラウマが与える影響を考察している。厳しい現実を突きつけるようでありながら祝祭的でさえある本書は、「美しさを見出すこと、そして美しさを見出されることは、唯一無二の素晴らしい行為である。」と断言している。

by Davide Meneghello

REGULAR PRICE ¥6,050  (tax incl.)

softcover
220 x 220 mm
black and white
limited edition of 100 copies
2021

published by 5B