A DECADE TO DOWNLOAD – THE INTERNET YAMI-ICHI 2012 - 2021 by A Decade To Download Project Team [SPECIAL EDITION]
千房けん輔と赤岩やえによるアートユニット「エキソニモ」が結成したIDPWによる「インターネットヤミ市」の2012年から2021年までの10年の歴史を本にダウンロードする、というコンセプトのもと制作された作品集。英語版、100冊限定での刊行となる。
「インターネットヤミ市」とは、「インターネットに関するものを実空間で売り買いする」というテーマで行われるフリーマーケット形式のイベント。エキソニモが結成した「100年前から続くインターネット上の秘密結社 - IDPW (アイパス)」が東京で初開催した2012年から、10年間で世界30都市で40回以上開催されている。当時、エキソニモが開発したiPhone用のアプリがApp Storeの審査でリジェクトされたのをきっかけに「ならば直接ケーブルで繋いで売ればいい」という発想がもととなって第1回目のヤミ市が東京で開催された。その後、誰でも自由にヤミ市が開催できるようにオープン・プラットフォーム化したことで世界中に拡がり、インターネット・カルチャーを現実空間で楽しむアイデアが、世界のインターネット・ラバーの間で熱狂的に受け入れられてきた。
本書は、過去10年の「インターネットヤミ市」を本で開催するという試みのもと、東京、ベルリン、札幌、ブリュッセル、アムステルダム、台中、ソウル、ニューヨークをはじめとする、全24都市200人以上の出店者が、自ら過去の出店物を紙上で紹介している。また、インターネット上のクリエイションに深いつながりのある7名による書き下ろしのエッセイも掲載され、「インターネットヤミ市」の記録のみならず、インターネットのサブカルチャーの足跡を記したものとしても貴重な一冊となる。なお、本書は、大林財団「都市のヴィジョン」プロジェクトの一環として、エキソニモを中心としたプロジェクトチームによって制作が進められた。