A.R. PENCK by A.R. Penck

ドイツ人アーティスト、A.R.ペンク(A.R. Penck)の作品集。本書は、ロンドンのギャラリー「ホワイト・キューブ・メイソンズヤード(White Cube Mason's Yard)」にて2022年に開催された展覧会「Paintings 1974–1990」に伴い刊行された。作者の絵画作品18点に加え、かつてあまり知られていなかったドイツ人アーティスト、ディレクターのウォルフガング・オピッツ(Wolfgang Opitz)との共同制作としてスーパー8mmフィルムを用い制作された映像作品2点に焦点を当てたモノグラフとなっている。

「アートは全ての人のためにあるべきである」という作者の主張を証明する本書は、作者が作り出したコンセプトである「Standart(StandardとArt を掛け合わせた造語)を結集した作品群を掲載する。また、アメリカ人キュレーターのハンナ・クレム(Hannah Klemm)による、作品とその考え方を解説する3,500語にも及ぶエッセイを収録し、その独特なコンセプトと作品群を補完している。巻末には、1983年にイギリスの現代アート批評誌「Artscribe」に収録されているイギリス人キュレーター、作家のアンドレア・シュリーカー(Andrea Schlieker)との対談を再掲載し、作者自身が語る言葉によって、作品について洞察を与えている。

スペイン人デザイナーのカルロス・ロモ=メルガー(Carlos Romo-Melgar)と、ロンドンを拠点として活動するデザイナージョン・フィリップ・セイジ(John Philip Sage)が装丁を手がけた本書は、鮮やかな色彩と裁ち落としでレイアウトされた絵画作品の図版、デュオトーンで印刷されたテキストのセクションで構成されている。そのデザインは、作者の不屈の精神と、アカデミックな芸術の世界から一線を画して独自に芸術を追求する姿勢にインスピレーションを得ている。表2に作者のポートレート、背の内側に引用文を配置したスイス装で仕上げられており、装丁そのものも楽しむことのできる一冊。

by A.R. Penck

REGULAR PRICE ¥6,820  (tax incl.)

softcover
128 pages
260 × 210 mm
color, black and white
2022

published by WHITE CUBE