ICE FISHERS by Aleksey Kondratyev

キルギス人フォトグラファー、アレクセイ・コンドラチェフ(Aleksey Kondratyev)の作品集。カザフスタンの漁師たちは、何世代にも渡って氷の下の魚を取るために凍り付いたエシム川で氷上釣りを行なってきた。エシム川が流れる首都アスタナは、この国で石油の生産が始まった1990年代にほぼ何もないところから建設された高層ビルの立ち並ぶ未来都市である。ポスト・ソビエトの現代性の象徴かつ、世界経済へとカザフスタンが仲間入りする太鼓判となるべく造られたこの街の川では、漁師たちが氷点下40度になることも珍しくない氷の上で危険を冒して漁をする。厳しい気候から身を守るために、ヨーロッパや中国、ロシア製の商品を売る市場外で拾ってきた梱包資材や米袋など使われなくなったビニールを繋ぎ合わせてテントのようなものを作る。輸入によってもたらされた素材の流用や、その補助的な使われ方に注目した作者は、グローバル資本主義における物品の流れやそのこと及ぼす地元の遊牧民的な習俗への影響に光明を投じ、国際的な貿易政策と個人の生活とが出会う点を明らかにした。

by Aleksey Kondratyev

REGULAR PRICE ¥4,840  (tax incl.)

softcover
60 pages
240 x 300 mm
color
2018

published by LOOSE JOINTS