フランス人アーティスト、アレクサンドラ・デュプレ（Alexandra Duprez）の作品集。1990年代半ばに活動を開始して以来作者は、「アール・ブリュット」や「プリミティブ・アート」からインスピレーションを得て、直感的なドローイングや絵画の制作を展開してきた。

作者のイメージ群は、具象と抽象の間で、不穏な生き物や絡み合った形、増殖した目などが生息する、夢の中の出来事に近い幻想的な宇宙を作り出している。作者の作品の中心は人体であり、それは分裂し、消去され、変形し、半分動物で半分植物のような、常に変異している存在の「人体」である。何層にも重なり、覆われることで、作者曰く「イメージの欠片」という、常に再発明される歴史の断片を生み出し、豊かな余韻を残している。