ニューヨークで最も多作なアーティスト・コレクティブ、「Collaborative Projects Inc.（通称 Colab）」のアーカイブと歴史を辿る作品集。1970年代後半から1980年代半ばにかけてニューヨークのダウンタウンで活動した若手アーティストたちが結成したこの集団は、純粋にアーティスト主導の文化的活動の形を提唱し、作品を制作、展覧会をキュレーションすることで、当時の社会的な主題や苦境に応えるべく主張を展開した。そのメンバーには、ジミー・デ・サナ（Jimmy DeSana）、ジェニー・ホルツァー（Jenny Holzer）、キキ・スミス（Kiki Smith）らが名を連ねる。

本書は、共同企画の中で地道に生み出された広範な印刷物やメディアの記録と多くの生の証言によって、「リアル・エステート・ショー（The Real Estate Show）」、「タイムズ・スクエア・ショー（The Times Square Show）」、をはじめとした様々なプロジェクトに関わるこのグループの多様な美学と関心を紹介する。本第二刷は、初刷の白いカバーからうって変わって黒いカバーで飾られている。