COWBOY by Richard Prince

アメリカ人アーティスト、リチャード・プリンス(Richard Prince)の作品集。40年もの年月をかけ、アメリカの象徴としてカウボーイを研究したプロジェクトの集大成としてまとめられた一冊。1970年代半ば、画家になることを目指していた作者はTIME社で雑誌のライターの為に記事をスクラップする仕事をしていた。雑誌から記事を取り除くと、商品やモデルといった欲望の対象を華やかに写し出した大量の広告だけが後に残った。作者はこれらの広告を写真に撮り、クロップしたり拡大し自分の作品として売り始めた。中でもとりわけ関心を払っていたのは、煙草『マルボロ』の広告にしばしば登場するカウボーイのモチーフであった。その後、作者の作品は美術界を震撼させていった。何度も訴えられ、現代写真の落札価格の記録を塗り替えるなど話題に事欠かなかった。作者のカウボーイに対する執着は、インスタグラムが主要メディアとして用いられる時代になった今でも変わらない。最新技術を使い、80年代と90年代の『TIME』誌を加工した新シリーズでも、カウボーイをモチーフにして広告の独創性、アプロプリエーション、真実の信用性がこれまで以上に低くなっていることを示している。本書は、作者がこの40年間に作品を通じてアメリカ西部という架空の存在をどのように掘り下げてきたかを示している。各章は簡単な説明と作品で構成され、巻末には作品に関連する印刷物などその背景を理解するのに役立つ情報を収録。本書によって作者は、今一度写真とはこういうものだと決めつける慣習的な境界に挑戦し、40年前にカウボーイと西部というレンズを通して巻き起こした論争に再び火をつけようとしている。

by Richard Prince

REGULAR PRICE ¥9,800

softcover
484 pages
230 x 305 mm
color, black and white
2020

published by PRESTEL PUBLISHING