スイス人アーティスト、ジョン・M・アムレーダー（John M Armleder）の作品集。作者は、20世紀末から21世紀に活動したアーティストの中でも最も重要かつ高く評価されている人物の一人である。

本書は、1969年に作者がアーティストであるパトリック・ルッキーニ （Patrick Lucchini） 、クロード・リヒナー（Claude Rychner）と共に設立したアーティスト・コレクティブ「エカール（Écart）」が制作した、初期のフルクサス関連作品に焦点を当てている一冊。1972年から1980年にかけて同グループはジュネーヴに書店とギャラリーを兼ねたスペースを構え、アーティスト陣、とりわけジュゼッペ・キアリ（Giuseppe Chiari）、ブラコ・ディミトリエヴィッチ（Braco Dimitrijevic）、ディック・ヒギンズ（Dick Higgins）、マノン（Manon）、アネット・メサジェ（Annette Messager）、ベン（Ben）、オリヴィエ・モセ（Olivier Mosset）、ダニエル・スペーリ（Daniel Spoerri）などの作品を展示した。同時に、ロベール・フィリュウ（Robert Filliou）、ピーター・ダウンズブロー（Peter Downsbrough）、サルキス（Sarkis）、ジェネシス・P・オルリッジ（Genesis P-Orridge）、エンドレ・トット（Endre Tót）、ダン・グレアム（Dan Graham）、マウリツィオ・ナンヌッチ（Maurizio Nannucci）、ローレンス・ウェイナー（Lawrence Weiner）の本やエディションも発表している。その豊かで多面的な制作物は、パフォーマンスのフェスティバルも含み、ヨーロッパにおける当時の最も重要なグループかつオルタナティブ・スペースのひとつであった。

バンクーバーの「エミリー・カー芸術＋デザイン大学（Emily Carr University of Art + Design）」内「チャールズ・H・スコット・ギャラリー（Charles H. Scott Gallery）との共同刊行。