LITTLE JOE: A BOOK ABOUT QUEERS AND CINEMA, MOSTLY
2010年から2021年まで限定版ZINEとして発行された、カルト定期刊行物『リトル・ジョー(LITTLE JOE)』のテキストを一冊にまとめた作品集。反骨精神に満ちたクィアな視点で、映画史における主流の物語に挑んだ記録である。
本書は新作をレビューするのではなく、忘れ去られ、見落とされた映画を探り、映画が持つ多様な領域の拡がりを称えている。そのラインナップは、無名のアートフィルムからポルノ、ハリウッドの名作まで、多岐にわたる作品を批評的な議論に値するものとして扱った。『リトル・ジョー』は頑なに印刷物の形にこだわっており、入手困難な刊行物であることでも有名だった。自らが支持する映画と同様に、「口コミ」で手に入れられることを売りにしていた。
ロンドンを拠点するアーティスト、デザイナー、ライターであり本誌の編集長であるサム・アシュビー(Sam Ashby)が編纂した本書は、これまでなかなか入手して読むことが叶わなかった『リトル・ジョー』のベスト・テキストを一冊にまとめ、テイストやスタイルの端々を繋げて描いた、新しいオルタナティブな映画のカノンを提供する。
本書はクィアと、周りで活動する作家、アーティスト、映像作家、研究者らによるエッセイ、掘り下げて語られた対談、短編小説、アーカイブから発掘した資料などを収録。
寄稿:ジョン・ウォーターズ(John Waters)、サラ・シュルマン(Sarah Schulman)、ダグラス・クリンプ(Douglas Crimp)、ウィリアム・ジョーンズ(William E. Jones)、エリカ・バルサム(Erika Balsom)、ジェレミー・アサートン・リン(Jeremy Atherton Lin)、ジョン・グレイソン(John Greyson)、エリザベス・パーシェル(Elizabeth Purchell)、リズ・ローゼンフェルド(Liz Rosenfeld)、ピーター・ストリックランド(Peter Strickland)、アイラ・サックス(Ira Sachs)、テレンス・デイヴィス(Terence Davies)、シュー・リー・チェン(Shu Lea Cheang)、ケヴィン・キリアン(Kevin Killian)、ウェイン・ケステンバウム(Wayne Koestenbaum)、アブデラ・タイア(Abdellah Taïa)、マレーネ・マッカーティ(Marlene McCarty)、ジョン・キャメロン・ミッチェル(John Cameron Mitchell)、ローザ・フォン・プラウンハイム(Rosa von Praunheim)、スチュアート・コマー(Stuart Comer)、エド・ハウター(Ed Halter)、ジェニー・オルソン(Jenni Olson)、A.L.スタイナー(A.L. Steiner)、A.K.バーンズ(A.K. Burns)、デジレー・アカヴァン(Desiree Akhavan)、アンドリュー・ヘイ(Andrew Haigh)