MY BIRTH by Carmen Winant

アメリカ・オハイオ州で活動するフォトグラファー、カルメン・ワイナン(Carmen Winant)の作品集。本作は3人の子供を産んだ母親でもある作者の写真と、同じく出産経験を持つ匿名の女性たちのファウンド・フォトを織り交ぜて構成している。産みの苦しみから誕生へと生き生きとした物語が進むにつれて女性たちの立ち居振る舞いが互いに融合していき、一斉に緊張状態となり解放される - そんな一つの集合体を作り出す。 作者自身の日記の複写とも言える本作には、出産風景のシークエンスに加えて作者の文章が添えられており、生命誕生という共有されながらも孤独であるその経験の当事者を探究した人間として記されている。『MY BIRTH』は問う。大衆文化によって長い間覆われパロディ化されて描かれてきた「出産」が、目に見えるものとなっていたら?「出産」を物語るにふさわしい、心地良くも力強い言葉が存在していたら?「出産」の過程を数多と描写しその主観性を強く主張して、 我々が「出産」やその表現を政治的な行為であると理解していたら?この生命の誕生を祝福するプロジェクトは、作者の第一子の誕生直後、第二子を妊娠した際に着想を得て制作。本作は、MoMAで開催された『Being: New Photography 2018』展にてインスタレーション作品として発表されている。

本書は、同作家の『THE LAST SAFE ABORTION』(2024年)の刊行に伴い、同じタイミングで再版された。

記事:小林美香のエッセイ「写真集と絵本のブックレビュー」第27回 Carmen Winant『 My Birth』(ギャラリー ときの忘れもの)

by Carmen Winant

REGULAR PRICE ¥12,100  (tax incl.)

softcover 
120 pages
220 x 305 mm
color, black and white
limited edition of 750 copies
2024 (2018)

shortlist of the Paris Photo–Aperture Foundation PhotoBook Awards 2018 - the PhotoBook of the Year Prize​​​​​​

published by SPBH EDITIONS