コートジボワール共和国を拠点に活動するアフリカ人フォトグラファー、（Joana Choumali）の作品集。アメリカの出版社「NAZRAELI PRESS」が手がけるプリント付き作品集シリーズ『ONE PICTURE BOOK TWO』の第31巻。

全100タイトルをもって完結した『ONE PICTURE BOOK』のアップグレード版である本シリーズ『ONE PICTURE BOOK TWO』は、装丁、サイズともにリニューアル。各タイトル500部限定発行、約127x178mm（約5x7インチ）のサイン入りプリントが付属し、前作と同様100タイトルで完結予定。

「繊細な糸が描くカラフルな線、円、光線。それらは何もない空間を埋め、空を彩り、停止状態にある町の建物や通りの輪郭を刻む。孤独で静かな人物は、糸と色とりどりの泡に包まれ、孤立しているように見えると同時に、糸に守られているようにも見えます。

ジョアナ・ショウマリは、2016年にコートジボワールにあるグラン・バッサムの町で起きたテロ事件の直後にスマートフォンで撮影した写真に触れています。当時感じた痛みを処理し克服する方法として選んだ刺繍という瞑想的な行為を通じて、彼女はイメージに命を吹き込んでいます。

引き裂かれたものを修復し、荒涼としたものしか残されていないように見える場所に美しさを再構築するという、象徴的かつ力強いジェスチャーです。最も重要なことは、立ち止まって、感情を熟考し、処理する時間を取ること、そして、人生がもたらす状況に対する情動反応なのです。

痛みを克服するために必要な時間をかけることで、彼女は内に秘めた創造力を発揮することができるようになりました。彼女のイメージの中にある花開く柔らかな波や色の線のように、新しい意味を生み出し、希望を与え、苦痛から美を生み出すことができる変革のプロセスです。」―マリア・ピア・ベルナドーニの序文より抜粋

2019年に写真とサステナビリティをテーマとするプリピクテ国際写真賞をアフリカ人として初めて受賞した作者は、本シリーズ『Ça Va Aller（英題：It Will Be Okay）』で賞を受けている。作者を含む12名の写真家たちの作品は「代官山ヒルサイドフォーラム」やロンドンの「ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館」など、多数の会場で開催された巡回展で展示された。