PHANTOM AMBITION by Ryan Gander

ロンドンを拠点に活動する現代アーティスト、ライアン・ガンダー(Ryan Gander)の作品集。2024年12月から2025年4月までスペイン・カセレスの「ヘルガ・デ・アルヴェアール現代美術館(Museo de Arte Contemporáneo Helga de Alvear)」で開催されている展覧会「Grunts, hoots, whimpers, barks and screams」に伴い刊行された。

この展覧会は作者にとってヨーロッパで開催する初の大規模個展であり、過去20年の間に制作されてきた作品が一堂に会し、作者の独特な芸術言語の礎となるものやその発展を辿る。特に、価値、作家性、死、言語、偶然性などに触れた、最も詩的かつ魅力溢れる作品群が選ばれている。作者を象徴するような表現を用いたインスタレーションや、本展のために制作された近作、新作などがテーマ別に構成され、そのユニークな創作活動をあらわにする。

眠れないときはいつも、よく知っている空間、美術館を思い浮かべ、テーマを決め、アーティストや作品を選び、衝突させ、そして...キュレーションをする。頭の中だけでしていることではあるが、どうやらうまくいっているような気がする....オープニング・レセプションのイメージを膨らませる前に、うとうとしてくる。

私はキュレーションが大好きだが、その行為の楽しみの90%は、おそらく仕事で換算すると10%に相当する。そこで私は、その喜びと労働の比率において、より効率的な活動を自分のために考案した。私はそれを『亡霊の野心(Phantom Ambitions)』と呼んでいる。

ここ1年ほどの間、このプロジェクトに取り組んでいる時、作品を見た多くの友人やアトリエへの来訪者はみな、意外だったのだが、決まって私に目的を深く考えさせ、再考させるような質問を多々投げかけてきた。私が現実を理想化したものを作っているのか?もしくは、おそらく、最善を尽くしたのか?私の目的は、人々を喜ばせるものを作ろうとすることだったのだろうか?というものだった。私は、アーティストの行動の動機の真髄は、ほとんどの場合、その実践に関する他のどんなことよりも、より多くを物語り、より興味深いものであるとよく考えてきた。

-ライアン・ガンダー、序文より抜粋

by Ryan Gander

REGULAR PRICE ¥9,900  (tax incl.)

softcover
124 pages
325 x 240 mm
color
limited edition of 500 copies
2024

published by TONINI EDITORE