PICTORIAL ZOOLOGY by Laszlo Layton
アメリカ人アーティスト、ラズロ・レイトン(Laszlo Layton)の初作品集。本作は、18-19世紀の博物学のドローイングを思い起こさせうる現代的なイメージで構成されている。制作方法として、まずピンカム&スミス社のヴィンテージレンズを取り付けたマホガニー材のディアドルフ社製11x14インチのカメラで博物館の標本を撮影。それらをサイアノタイプ(※註)にした後、その写真に絶妙な色調で丹念に色付けを行う。作者が参照しているのは、アメリカの画家であり鳥類研究家のジョン・ジェームズ・オーデュボン(John James Audubon)の名著『アメリカの鳥類』の緻密に描かれた図版であることは明らかである。しかし、19世紀イギリス・ヴィクトリア時代を代表する美術評論家ジョン・ラスキン(John Ruskin)や、自然主義や職人技を重視するアーツ・アンド・クラフツ運動からも多大な影響を受けていることが伺える。この一連の作品が、科学と芸術の交差するところに位置するものだとしても、中心にあるのは現実を図解することではなく美なのである。本シリーズは各地で展覧、収蔵されており、ネルソン・アトキンス美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、ロサンゼルス自然史博物館などが所蔵している。
※註 青写真。日光写真とも呼ばる写真・複写技法の一つであり、鉄塩の化学反応で光の明暗が青色の濃淡として写る。
by Laszlo Layton
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¥12,650
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