THE PEOPLE ON THE STREET by Nigel Shafran

イギリス人フォトグラファー、ナイジェル・シャフラン(Nigel Shafran)の作品集。日常を写しとり客観的でありながら親密さを感じさせる作品を作り出してきた作者が、本書ではカメラの向きを180度変えて自分自身を被写体とした。2016年から2017年の間にロンドンやパリの路上で生活する社会的弱者とされる人々に接触し、自身を撮影するよう依頼し続けて写ったものがこの一冊の本に纏められている。特段編集作業は行わず、時系列に沿って配置しそれぞれの写真に撮影者の名前と撮影場所のキャプションを添えた。どこか落ち着かなさを感じさせるこの作品集は、近年のホームレスの危機的状況に対する作者なりの回答である。2010年以降、ロンドンにおける路上生活者の数は倍になり、2017年秋に政府が公式に記録した数は4,571人に及んだ。イメージの多くは都市のちょっとした瞬間を切り取ったようなものであり、時折たまたま通りかかっただけで特に写ることを伝えていないような人たちが行き交う姿も写り込んでいる。また、あえて貧困と極端とも言える豊かさを並べて見せることで、見るも明らかに贅沢と言える商業の背景にあるものを批判している。歴史的に路上生活者や仕事がなくなった人々の寝床として知られている、ロンドンの中心部にある大通り「ストランド」で撮影された写真はそれを顕著に表している。本作は、よく「犠牲者」として描かれているホームレス像、つまり他者のフィルターを通して晒されているホームレスの姿というものに疑問を投げかけており、作者はこのプロジェクトを通じて「我々」と「彼ら」との間の距離を壊そうとしている。本書の収益は、全てホームレスの慈善団体へ寄付される。

by Nigel Shafran

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styrofoam cover
104 pages
240 x 200 mm
color
limited edition of 500 copies
2018

published by SELF PUBLISHING