スイス人アーティスト・デュオ、タイヨ・オノラト & ニコ・クレブス（Taiyo Onorato & Nico Krebs）の作品集。2人がスイスの出版社「Edition Patrick Frey」と手掛ける2部構成の写真集シリーズ「FUTURE」の第二弾。

第一弾である「FUTURE MEMORIES」は未来というもののアイディアが過去数十年の間にどのように変化し、我々の現在の捉え方にどのような影響を与え、これから来たる変化にどのように向き合うのかという疑問を扱っている。

「WATER COLUMN」と題された第二弾となる本書は、我々を直接取り囲んでいながら多くの人々にとっては広大な宇宙と同じように遠く異質な場所・領域、つまり水面の下の世界を中心に扱っている。

精巧な技術を用いてのみ我々は未知なる海をいっそう深く潜り、探索することができる。しかし探検は必然的に搾取へとつながり、我々はこの水中世界を理解しはじめるどころか、じっくりと観察する前に破壊してしまいかねない。

海の深さは常に人類の想像をかき立ててきた。なぜならそこは全てが可能にみえる領域であり、我々がありとあらゆる種類のとっぴな概念や変幻自在な光景を投影する広大なスクリーンだからである。深海は別の法則、別のルールに従っており、ますます多くの証拠がそこに我々の起源を、そしてその歴史的堆積物の層に、我々の究極の終焉を見出す可能性さえ示している。

様々な最先端の写真ツールや発明品を駆使しながら、二者はこの未知の世界を探求し、科学研究とSFが表裏一体となったヴィジュアル・シナリオをつくりあげている。