WHAT THE LIVING CARRY by Morgan Ashcom

アメリカ・ヴァージニア州出身のフォトグラファー、モーガン・アシュコム(Morgan Ashcom)の作品集。アメリカ南部のHoy’s Forkという小さな町を舞台とした本作は、作者が片田舎で過ごした幼少期の記憶をもとに、写真、タイプライターで打った手紙、手書きの地図などを組み合わせ、不吉な雰囲気に満ちたある土地に関する想像上の物語を作り出していく。その町と周囲に広がる森林を巡る旅に見る者を導き、身寄りの無い人々を登場させ、過去に何かがあったことを示唆するシーンを次々と描き出していく。シャンパンを片手にかつては豪邸であったことが伺われる建物の崩れかかった石段にもたれかかる哀れな老人、伸び放題の草原に運ばれていく血まみれのマットレス、牧草地に一人ぼっちで隠れている子供、家の白い柵(※註)を律義に掃除する一人の男性(どこか遠い昔の土地の「壁画」としては矛盾した光景がそこにはある)。断片的な物語の節々には、「Center for Epigenetics and Wellness of the Spirit」という機関の "ユージーン" たる人物から「モーガンによるDNA解析の要請」に対する4つの返信が挟み込まれている。この奇妙な世界の背後にある謎を解き明かすヒントが本書に含まれているとすれば、それは自叙伝のようでありながら同時に想像上でしかない、このなんともつかみどころのない視覚的な記録の中に見出されるだろう。

※註 アメリカでは、白い柵(white picket fence)が伝統的で典型的なマイホームや幸せな家庭の象徴としてとらえられることがある。

by Morgan Ashcom

REGULAR PRICE ¥7,150  (tax incl.)

hardcover
144 pages
216 x 292 mm
color, black and white
2017

published by MACK