MOVING FOCUS by David Hockney
イギリス人アーティスト、デイヴィッド・ホックニー(David Hockney)の作品集。イギリスにおいて最も重要なアーティストの一人である作者の人生と作品について、パノラマ的かつ新たな視点をもたらす。
作者が85歳になった節目で刊行された本作は、先駆的な一冊に仕上がっており、そのキャリアの本質的な概観としてまとめられている。その作品群はイギリスの「テート(Tate)」コレクションの顔ぶれに新たな命を吹き込み、現代における若き世代の鑑賞者さえも驚かせ、心を揺さぶることを証明する。寄稿者は非常に多岐に渡り、アーティストの
エド・ルシェー(Ed Ruscha)、写真家のウォルター・ファイファー(Walter Pfeiffer)、建築家のフランク・ゲーリー(Frank Gehry)から、「ガーディアン(The Guardian)」紙で主に寄稿しているコラムニストでありジャーナリスト、政治評論家のオーウェン・ジョーンズ(Owen Jones)、ライターであり詩人のマリーケ・ルカス・ライネフェルト(Marieke Lucas Rijneveld)、作家のアリ・スミス(Ali Smith)、俳優であり作家、劇作家、脚本家のラッセル・トーヴィー(Russell Tovey)まで、その広く文化的なコンテクストによって作者の位置が定められ、かつて将来有望な学生だった日々から現在の最も偉大なアーティストの一人に成るに至るまでの道のりの記録がまとめられている。
60年もの間、作者の作品は観衆を広く楽しませ、刺激してきた。生涯を通して生まれた名作群はテートの傑れたコレクションの中心となっている。本書には、100点以上もの絵画、印刷作品、ドローイングや写真作品を収録。それらをすべて一度に見ることにより、作者のインスピレーションの源となったものの変遷、そして何よりも、作品が目指し続ける方向が示される。現代アーティストへの最初の一歩を踏み出した1950年代をはじめ、ロサンゼルスの都市風景を描いたかの有名な作品、大いに愛された1970年代のポートレート群、そして常に作者の主題であった時間、空間と視点を映し出した近年の風景画やデジタル・イメージも収められている。
本書は、キュレーターでありリサーチャーのヘレン・リトル(Helen Little)が手がける。
EXHIBITION:
デイヴィッド・ホックニー展
会期:2023年7月15日(土)- 11月5日(日)
休館日:月曜日(7/17、9/18、10/9は開館)、7/18、9/19、10/10
時間:10:00-18:00
開催場所:東京都現代美術館 企画展示室 1F/3F
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