イタリア人アーティストのルチア・ディ・ルチアーノ（Lucia Di Luciano）とジョヴァンニ・ピッツォ（Giovanni Pizzo）による作品集。20世紀イタリアにおける二人の前衛画家が生んだ作品の革新性を再考する一冊であり、1960年代から現在までの数十年にわたって制作された作品群を紹介する。

本書は未公開作品に焦点を当てており、数学的な計算や規則正しい配列から導かれてモノクロで描いた、ルールに忠実に沿った日々の実践や、より荒々しくカラーで描かれた実験的な作品などを通じて、作者の進化を探る。

二者は同じ屋根の下にスタジオを構えて一枚のコンクリートで隔てて制作に勤しんでいたが、今回初めて二人の作品群が、背中合わせに2つの本を継ぎ表紙製本で "ひとつ" にまとめている。

「この冷たい幾何学的で数学的なプロセスの種は、イマジネーションの糸で織られた生地のように軽やかなレースとして明らかな姿となっていて、実はほとんど気づけないのである。」　－ ジョヴァンニ・ピッツォ（Giovanni Pizzo）