MATERIAL REFORM: BUILDING FOR A POST-CARBON FUTURE by Material Cultures (2024)
脱炭素化に向けたデザインとリサーチの領域で活動する非営利団体「マテリアル・カルチャーズ(Material Cultures)」の作品集。2022年に刊行されて以来、高く評価されベストセラーとなった同作の増補版。
本書は、建築業界を形成する文化、システム、インフラ、そしてそれが育む破壊的な生態学を探求する一連の短編エッセイと対談を収録している。現代建築を支配する建築手法は、人々の搾取と地形の悪化に根ざしている。資源、メンテナンス、農業、土地利用、そして価値といった鍵となるトピックを核に据えたテキストが、工業化によって景観に与える影響を捉えたヴィジュアルエッセイとともにさまざまに異なるスケールで織りなされている。
現代建築を圧する建造の慣習は、人々の利己的な開発による搾取と我々の景観の劣化に根ざしている。ここでは、「マテリアル・カルチャーズ」の創設メンバーであるパロマ・ゴームリー(Paloma Gormley)とサマー・イスラム(Summer Islam)、そしてディレクターのジョージ・マスード(George Massoud)が、なぜこのようなことが起こったのか、また、建築環境に対する全体的なアプローチによるオルタナティブシステムをどのように構築することができるのかを探る。
本書では、「マテリアル・カルチャーズ」が日々の仕事で遭遇する対話と緊迫状態から直接引き出した、教育的で挑戦的な一連の視点を提示している。労働、時間、メンテナンス、言語、土地、触覚などの主要な概念を中心としたテキストは、さまざまな経験や解像度のスケールで工業化された風景を変えてきたプロセスを見直すヴィジュアルエッセイと織り交ぜられている。本書は、テキストとヴィジュアル、コンセプトと実践を通して、素材と直接的な関係を築くことが、私たちが狭い範囲の作家の系統から受け継いだ言語に取って代わる可能性を持つ新しい言語を見つけるのに役立つことを探求している。これらの論説は、素材、土地、開発の関係と、その重要な交差点を再考するための重要な資料集となっている。
本書は、2015年にターナー賞を受賞したアーティスト・コレクティブ「アッセンブル(Assemble)」のメンバーの一人であるアミーカ・ダル(Amica Dall)との共同著作物。序文は建築家であり都市デザイナーのシャルロット・マルテール=バルト(Charlotte Malterre-Barthes)、写真はフォトグラファーであり版元「MACK」のエディターを務めるジェス・ゴフ(Jess Gough)が担当する。