ENSEMBLE - AN ARCHITECTURE OF THE INBETWEEN by Shervin Sheikh Rezaei
ベルギー人建築家、シェルヴィン・シェイク・レザイー(Shervin Sheikh Rezaei)の作品集。
「
自分自身の心の状態と体験を建築的なコンセプトに置き換える試みの中で、私は多様な空間、あるいは多様な存在を体現するかたちをデザインし、それらがしっかり結びついた構造を作ろうと考えました。こうして、様々な文化のポリフォニーに基づいてあらゆる要素が融合した建築作品が生まれました。デザインされた空間の中では幾つもの文化が互いに交流すると同時に、中立あるいは白紙の状態という錯覚を作り出しています。複雑な政治的事情がほぼ全てはぎとられた場所においては、物事は人間の体験に基づく相関関係にあり、多様な文化が第三の風景の中で交流しているのです。しかしながらこの架空の概念は、ごく少数の女性アーティストや思想家が共有している文化のアプロプリエ―ションや文化的アイデンティティについての議論のスタート地点でもありました。彼らは現代的な議論について熟考する場を解放し、私たちの誰もが影響を受けている『文化的な条件付け』についてより深く理解するための1つの手段として批判的な物語を受け入れることの大切さを示しています。このプロジェクトは、共同体の空間における個人のものの見方を通じて現実とは何かを考えるというアイデアから始まりました。文化における個人の体験を見つめることは、建築モデルの具体性だけでなく、文化と文化の間で生き、創造している女性が語る多様な物語の具体性にも通じるものがあります。二つものの間、異なる建築スタイル、神聖なものと冒涜的なものが交じり合ったもの。多元的な文化、分明のハイブリッド。様々な文化の領域が1つの物語を共に語る。混沌を追求し、そこからさらに平和を求める。私のアイデンティティは今どこに存在するのでしょう?答えは1つも返ってきませんが、私には様々な声が奏でる音楽が聞こえてきます
」ーシェルヴィン・シェイク・レザイー