日本人アーティスト、シオ・クサカ（日下翅央 / Shio Kusaka）の作品集。2022年3月から4月にかけてニューヨークの「David Zwirner」で開催された展覧会に伴い刊行された。

詩的なつながりをはっきりと表現している作者の陶器たちは、全体として一つの一体感のある独自のインスタレーションを作り出している。

作者は、日本古来の陶芸や大衆文化、日常生活からインスピレーションや技法を取り入れ、作品に新たな言葉を刻み込む。様々な種類の粘土や焼成方法を駆使し、線、色、大きさの実験を行い、陶器という表現媒体に新鮮な生命を吹き込んでいる。個々の作品とテーマ別にまとめられた作品群からなる調和のとれた展示は、あらゆる角度から体験できる、類まれな一個のインスタレーションになっている。作者本人との緊密な共同作業によって制作された本書は、多くの詳細な図版を通じて、作者の傑作「one light year」を深く掘り下げて紹介する。

大成功を収めた本展覧会に続いて出版された本書は、作者独自のインスタレーションをあらゆる角度から研究する。本人によるテキストは、制作プロセスの理解を助け、この特別な作品についてのユニークな洞察を提供してくれる。

「非常に印象的…ボウル状や円筒形のものもあれば、ほっそりとした弧を描く首を持つものもいくつかある。それらの直線的な配置は、時間と空間を通じたある種の前進を示唆している」&mdash「ドキュメント・ジャーナル（Document Journal）」誌