THE ITALIAN INTERIORS OF ELSA PERETTI by Estelle Hanania
イタリア人ジュエリーデザイナー、ファッションモデルであり、1974年に「ティファニー(Tiffany & Co.)」にデザイナーとして加わって以来長年にわたり活躍した、エルサ・ペレッティ(Elsa Peretti)の邸宅を紹介する作品集。フランス人フォトグラファー、エステル・ハナニア(Estelle Hanania)が撮影を担当する。
「ある非現実的な風景を見渡すと、海と空が一つに混ざり合っている。灌木地の中にエルサのサラセンの塔が見事にそびえ立つ。遥か遠くにも、見渡す限りサラセンの塔が連なり建っている。」- ドミニク・ナバコフ(Dominique Nabokov)
不思議な世界へと足を踏み入れよう。ぺレッティは、20世紀にジュエリーデザインというものを一新し、その作品は現在も、世界で最もビッグなスターたちが身に着けている。本書は、今は亡きこの偉大なデザイナーの華やかで壮麗な2軒の邸宅を巡る旅を描く。空間を彩るテラコッタの輝きをハナニアが神秘的な写真で捉えており、トスカーナ州の港町ポルト・エルコレに高くそびえる邸宅、トッレ・アヴォルトーレの自然なままの姿を紹介し、そして我々をぺレッティが育った荘厳なローマへと誘う。
長年のビジネス・コラボレーターであるステファノ・パルンボ(Stefano Palumbo)によるエッセイは、イタリア人デザイナーであり建築家のロレンツォ・モンジャルディーノ(Lorenzo Mongiardino)とぺレッティとのクリエイティブな関係を中心に据えた序文として著されており、フォトグラファーのドミニク・ナバコフ(Dominique Nabokov)は短いメッセージで2001年にこの塔を訪れたときの思い出を綴り、本書を締めくくる。
ぺレッティが創設し、社会福祉や人権保護、芸術や文化の継承を援助する活動を行う「ナンド・アンド・エルサ・ペレッティ財団」との緊密な協力のもと刊行された本書は、イタリアにおけるぺレッティの邸宅とそのインテリアを見せることに捧げて作られた初の作品集であり、一般には公開されてない空間を今回特別に見ることができる。
ぺレッティの個人的なアートワークや服のコレクションで溢れるローマのアパートは、売却される前日に撮影が敢行され、いかにしてぺレッティが自身の芸術的な感性をプライベートな世界に投影したかを捉えた最後の写真となった。