THIS IS WHAT HATRED DID by Cristina de Middel
スペイン人フォトグラファー、クリスティーナ・デ・ミデル(Cristina de Middel)の作品集。本書タイトル「This is what hatred did」は、アモス・トゥトゥオラの小説「My Life in the Bush of Ghosts」の最後に刻まれた締めくくりの言葉である。1954年に出版された当時、この小説に対しての反応があまりに暴力的であったためにトゥトゥオラはナイジェリアを離れることを余儀なくされた。この言葉「This is what hatred did」は、作者によるこの物語の新たな解釈の出発点として使われている。魂と人間が複雑に共存するナイジェリアの街ラゴスのスラム街・マココでは不可思議な儀式は日常茶飯事で、街を包む空気がまるで幻影のような物語を生み出している。このプロジェクトから生まれた本書は、トゥトゥオラの物語と、アフリカのステレオタイプを背負わざるをえない国の現実を交える。作者は文章とイメージ双方での語りを操り合わせることで、幾重もの意味を生み出し、その結果として生まれたのが、ドキュメンタリーとフィクションの狭間で光に照らされるのを待つ益々不可解な大陸の現実である。
by Cristina de Middel
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