PALIMPSEST by Philippe Braquenier

ベルギーを拠点に活動するフォトグラファー、フィリップ・ブラクニエ(Philippe Braquenier)の作品集。西洋文化の知識と遺産を取り巻く概念的な風景、もしくは物理的に存在する風景が形作られてきた過程と、モダニズムがどのようにして歴史の影から姿を現したのかを見つめた1冊。本書が重要とする役割は過去を説明することではなく、歴史の変遷とその視覚的な表現の考察である。調査の手段として写真とテキストを使用したこの本は、科学と文化、自然と人工物、アナログとデジタル、目に見えるものと目には見えないものとの交差点に立ち現れる。ここでは一見すると両極端に見えるイメージを通じて歴史と現在が一点に向かって収束し、一時的なものに新しい意味を与えることの根拠が説得力を持って示されている。2012年に始まり現在も継続中の本プロジェクトは、他の「生きている」アーカイブと同様に常に拡大し続ける。未だ制作途中である本作は、出版物と歴史という概念がどちらも過去に閉じ込められた、もはや機能しない固定されたものでしかないという事実を明るみにする。この作品は、歴史とは人の手によって作られたものであり、常に変更・追加されていることを説明し、歴史的な記録や知識全般を保存するために人類が用いる手段に疑問を投げかける。

by Philippe Braquenier

REGULAR PRICE ¥7,700  (tax incl.)

softcover
118 pages
230 x 290 mm
color
limited edition of 500 copies
2018

published by ART PAPER EDITIONS