アメリカ人アーティスト、エリザベス・ペイトン（Elizabeth Peyton）の作品集。2023年6月から7月にかけて、ロンドンのギャラリー「David Zwirner」で開催された展覧会に伴い刊行された。

「エリザベス・ペイトンの芸術は、描き始めた瞬間に彼女が彼女で無くなるような視線や身振りになり、表現されている。エリザベス・ペイトンの作品には、多くの筆致を通して積み重ねられた、絵画の表面を特徴づける混じり気のない、不安定とも言える感覚がある。一筆一筆で構築されたイメージの深みを通して、我々の現実における感情的な基層が明らかになる。」-ルーカス・ツヴィルナー（Lucas Zwirner）

本書は「Ang in the Mountains」や「Mani Rimdu」から、「Elvis Angel (Elvis' Eyes)」、「Titanic (Jack & Rose)」に至るまで、テーマと自身を重ね合わせてその主題になりきる、その並外れた共感の力を探る。光と空間の透過性の中に宿る絵画であり、自身曰く「別の場所へと連れ出してくれるエネルギーをとらえる空間として在る絵画と芸術」を楽しむものである。

18点の新作と、「愛、信仰、自然がすべてを貫く感覚」で繋がる自身の写真、同ギャラリーのコンテンツ部門を統べるルーカス・ズウィナーによるテキストが収録されている。