BORDERS by Liu Xiaodong

中国人アーティスト、リウ・シャオドン(劉 小東、Liu Xiaodong)の作品集。テキサス州とメキシコの国境を舞台にしたリウ・シャオドン(劉 小東、Liu Xiaodong)の新シリーズ「Borders」の作品集。

30年以上に渡って社会的な状況を描き、記録してきたリウ・シャオドン。1人のアーティストとして絵画と向き合う中で彼の芸術は大きく成長し、写真や映画の影響を重要なレファレンスとして取り入れるポストコンセプチュアルの概念に近づいていった。シャオドンは何度も現地を訪れて対象を直接観察して描くという方法で、テキサス州とメキシコの国境をテーマにした新シリーズを作り上げた。シウダーフアレス、エルパソ、イーグルパス、ピエドラネグラス、ラレド、ヌオバラレドなどの都市を制作の出発点とし、8週間に渡って国境の街のコミュニティに暮らした。リオ・グランデ川を挟んで流動する個人、場所、現代社会を記録した絵画は、旅の間に制作した何百枚ものドローイングや写真、常に撮っていた動画から生まれたものである。これらの作品を通じて、シャオドンは多様性と個人の歴史が最優先される世界を鮮やかに描き出した。決定的な瞬間をとらえた1つ1つの作品は、それぞれの物語を永遠のものにしている。そしてここにもまた、彼の芸術に遍く響き渡る無数の文化的レファレンスが反映されている。…シャオドンは純粋に描写的なイメージに満足することなく、こうした瞬間の背後にある大きな社会的構造にも言及する。その人だけの物語を掘り起こし、独特の筆遣いで、豊かで多様な歴史をほのめかす絵を描くことで、シャオドンは作品と鑑賞者を結びつけると同時に心理的に遠ざける。こうして見る者の感情をかき立てることによって、絵画が伝える情報とそれに対する自分の考え方の間につながりを作り出しているのである
&mdashアートダイレクター、ピーター・ドロシェーンコ(Peter Doroshenko)

中国ネオリアリズム絵画の第一人者として知られる画家・写真家のリウ・シャオドン(1963年中国北部遼寧省金城生まれ、北京在住)。油彩とアクリル絵の具で普通の人々を描いた巨大な絵画は、経済的苦難、環境危機、移民といった地球規模の問題の人間的な側面に光を当てている。現地に赴き、対象を野外で描くことが多い。

by Liu Xiaodong

REGULAR PRICE ¥4,400  (tax incl.)

hardcover
112 pages
170 x 225 mm
color, black and white
2021

published by MOUSSE PUBLISHING