CAPITOLO ZERO by Giovanna Sandri
イタリア人アーティストであり視覚詩、実験詩作家であるジョヴァンナ・サンドリ(Giovanna Sandri)の作品集。言語の構成要素を細分化(原子化)し、再び組み換えて生まれた1960年代における視覚詩の古典を味わえる一冊。作者は、1960年代から1970年代におけるイタリアのネオ・アヴァンギャルドの中心的人物であり、数少ない女性アーティストのひとりであった。視覚詩の表現において大胆な実験性で知られており、1965年以降、イタリアのコレクションや雑誌で紹介されてきた。
本書は1969年にローマの出版社「Lerici Editore」より刊行された作者の最初の作品集であり、新たな朗読の試みである。タイプライターの代わりにインスタントレタリング(乾式転写レタリング / dry-transfer lettering)を用いて構成された本作は、詩を単一の文字と句読点という「言語における原子の粒子」として分解し、従来の意味を排除した新しい組み合わせで並べ替えている。本書を読むことは、目のゲームを行っているということである。
壊されたダダの言語に根底を置く作者の詩は、文学と視覚芸術の境界線を跨ぐものである。長らく絶版となっていた同作の復刻版である本書は、今作の版元である「DABA」の芸術、実験的ライティング、視覚詩への献身を体現するものである。
by Giovanna Sandri
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