DEAR JEAN PIERRE by David Wojnarowicz

アメリカ人アーティスト、デイヴィッド・ヴォイナロヴィッチ(David Wojnarowicz)の作品集。1979年から1982年にかけて、大西洋を越えてパリの恋人ジャン・ピエール・ドラージュ(Jean Pierre Delage)に宛てた書簡をかき集めた一冊。これらの書簡は、作者の芸術的・文学的な実践の土台を築いた瞬間を捉えており、その手紙は作者の魅力的な個性、それに伴う優しさ、思いやり、そしてノイローゼを明らかにするだけでなく、その視覚的な言語の発展を示すものでもある。その視覚的言語は、結果として作者を同世代の傑出したアーティストの一人として定義づけることになった。

この書簡集を通じて、シリーズ「Rimbaud」、バンド「3 Teens Kill 4」、初めての写真集の出版、アメリカ人フォトグラファーのピーター・ヒュージャー(Peter Hujar)との初期の友情、当時新興だったニューヨークのイースト・ビレッジのアートと音楽シーンへの関わり、および初の著書の出版の下準備などを紹介する。本書では、文章とともにポストカード、ドローイング、複写、写真、コラージュ、フライヤー、エフェメラ、コンタクトシートなどを通じ、「Burning House」のモチーフや「Untitled (Genet, after Brassai)」など、作者の象徴的なイメージや作品を見せている。

こうして作者を特徴づけた節目だけでなく、本書は20代の作者を印象的に描き、その時代特有の奔放なひたむきさと、愛と切望がもたらす柔らかさをもって、作者の日常を詳述している。この魅力的な優しさは、世の中で自分の声を見つけ始めたばかりの若者の姿と、作者がその中で見つけた愛の姿を描いている。

二人は同じくらいの頻度で手紙を交わしていたが、ドラージュの手紙はほとんど失われてしまったため、作者の形成期といえる時期の内面世界を垣間見ることができるものしか残されていない。

by David Wojnarowicz

REGULAR PRICE ¥10,780  (tax incl.)

softcover
616 pages
216 x 280 mm
color, black and white
limited edition of 4,000 copies
2023

published by PRIMARY INFORMATION