FRANCIS BACON IN THE ACT PAITING by Francis Bacon

イギリス人アーティスト、フランシス・ベーコン(Francis Bacon)の作品集。作者の絵画がいかにして発展していったか、生前は誤解されていた。アトリエで一人絵を描いていたため、その本能的に描かれた作品が羽化する姿を目撃する人はいなかった。プライバシーへのこだわりが制作過程に多くの憶測を生むこととなったが、その想像のほとんどは誤りであった。作者は絵画作品が生まれる瞬間に対して明確な発言をしている。「キャンバスにブラシで大まかにスケッチし、漠然とした輪郭を描き、それから制作に取りかかる......」この技法に関する説明は基本的に正しい要約であったが、通説に反していたことから誤解されたり無視されていた。

美術史家でありベーコン研究者の第一人者として知られるマーティン・ハリソン(Martin Harriso)のエッセイは、作者がどのようなことを意味し、何を成したのかを正確に示すことから始まる。また、下描きの像を露わにするX線や赤外線の技術を駆使し、その方法論を解明すべく描画の特徴を分析する。アトリエに入ることを許された数少ない訪問者たちが撮影した、完成前の過程で一時中断された状態の写真は、その後の絵画制作の過程を分析する際に大きな貢献となった。「フランシス・ベーコン・エステート(The Estate of Francis Bacon)」のアーキビストであるソフィー・プレトリウス(Sophie Pretorius)による研究は、これまで未公開のままであった画像をひとつひとつ取り入れ、写真に記録されたすべての絵画が制作過程で移り変わっていく状態を、テーマごとに整理して見せている。参考文献のセクションでは、そこで掲載したすべての絵画のサムネイル画像が年代順に並べられている。その並びは、作者の全作品をまとめた『FRANCIS BACON: CATALOGUE RAISONNÉ』(2016年)のレイアウトと一致するように配置されており、本書はそのカタログレゾネを捕捉する形で重要かつ新たな情報を掲載し、資料として欠かせない一冊となっている。

by Francis Bacon , Martin Harrison

REGULAR PRICE ¥13,200  (tax incl.)

hardcover
160 pages
250 x 315 mm
color
2024

published by THAMES & HUDSON