HURVIN ANDERSON by Hurvin Anderson

ジャマイカ系イギリス人アーティスト、ハーヴィン・アンダーソン(Hurvin Anderson)の作品集。作者のこれまでの経歴の総合的な全体像が初めて描かれた一冊である。作者は、曖昧ながらもみずみずしい情景の描出や、パーソナルな意味合いにあふれた空間を作り出すことで知られている。

ターナー賞候補となったこともあり、作者の作品群の中でも最も有名なのは細部を緻密に描いた鮮やかな風景画や室内図である。特に幼少期を過ごしたイングランド中部地方のアフリカ系カリブ人コミュニティや、最近訪れたカリブ海に関連するものが多い。その魅惑的な絵画の中心にあるのは、混成である。抽象と形象、自然と人工、美と危険、イギリスとジャマイカの先祖たちから受け継いだものが主導権を競い合っているのだ。ジャマイカ系移民としてイギリスに生まれた作者は、カリブ系コミュニティの一員であり、部外者であり、その失われた、あるいは未来の楽園から生まれる虚像に対する関心も大きい。

本書は作者の初となるモノグラフであり、自身によって厳選された絵画、スケッチ、資料、エフェメラ、スタジオで撮影されたイメージがまとめられている。コートニー・J・マーティン(Courtney J. Martin)による序文、芸術史学者キャサリン・ランパート(Catherine Lampert)による広く深く考究されたエッセイ、ロジャー・ロビンソン(Roger Robinson)による詩、挿絵入りの年表も収録。

by Hurvin Anderson

REGULAR PRICE ¥15,400  (tax incl.)

hardcover
320 pages
262 x 310 mm
color, black and white
2022

published by RIZZOLI