THE EYE IS NOT SATISFIED WITH SEEING by Jennifer Packer

アメリカ人アーティスト、ジェニファー・パッカー(Jennifer Packer)の作品集。イギリス・ロンドンの「サーペンタイン・ギャラリー」で開催された展覧会に伴い刊行された。豊富な写真、リズヴァナ・ブラッドリー(Rizvana Bradley)、ドナ・ネルソン(Dona Nelson)、クリスティーナ・シャープ(Christina Sharpe)、リネッテ・イアダム=ボアキエ(Lynette Yiadom-Boakye)をはじめとする様々なアーティストや美術史家が書き下ろした文章に加え、サーペンタインギャラリーのアーティスティック・ディレクター、ハンス・ウルリッヒ=オブリスト(Hans Ulrich Obrist)によるインタビューを収録。

深い洞察に裏付けられた作者の「Abundant With Light」は、その芸術の政治的・感情的な共鳴性に光を当て、アーティストで作家のリネッテ・イアダム=ボアキエ(Lynette Yiadom-Boakye)による短文と詩は、作者の絵画を心に描いて読むことを推奨する。またウルリッヒ=オブリストによるロングインタビューでは、その作品はもちろん、バロック絵画の巨匠カラバッジョ(Caravaggio)から19世紀の画家・版画家のファンタン=ラトゥール(Henri Jean Théodore Fantin-Latour)、アフリカ系アメリカ人を描くケヒンデ・ワイリー(Kehinde Wiley)まで、作者の作品に影響を与えたアーティストたちについても深く掘り下げている。美術史家リズヴァナ・ブラッドリー(Rizvana Bradley)のエッセイ「The Weathering of Form: Jennifer Packer’s Abstract Figures」では、同展覧会の作品を中心として、ブラックアートをめぐる理論の言説の中に作者を位置づけて論じている。過去にパッカーに絵を教えたアーティストのドナ・ネルソン(Dona Nelson)は、世界中でロックダウンが実施される前の2020年5月上旬に作者のスタジオを訪れた時のことを回想する。新作に対するネルソンの親密な理解は、あの特定の時間と場所と密接に関係している。さらに、知識人・社会活動家・フェミニストのベル・フックス(bell hooks)が1992年に記した重要なエッセイ「Representing Whiteness in the Black Imagination」を収録。この文章は、作者の作品に今なお大きな影響を与えている。

by Jennifer Packer

REGULAR PRICE ¥6,600  (tax incl.)

hardcover
172 pages
225 x 270 mm
color
2021

published by WALTHER KÖNIG