SELECTION: ART, ARCHITECTURE AND DESIGN FROM THE COLLECTION OF RONNIE SASSOON by Ronnie Sassoon

コレクターであるロニー・サスーン(Ronnie Sassoon)による作品集。作者は生涯にわたりロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、そしてその間の様々な場所で暮らした。その中で自身が収集してきた物の「選択(Selection)」がどのようになされてきたかという定義を明らかにするために、過激なアート作品、デザインオブジェクト、住宅群を、類を見ない形で本書にまとめている。イタリア人アーティストのルーチョ・フォンタナ(Lucio Fontana)ピエロ・マンゾーニ(Piero Manzoni)、ミケランジェロ・ピストレット(Michelangelo Pistoletto)、アリギエロ・ボエッティ(Alighiero Boetti)ら「グループ・ゼロ(Group Zero)」や「アルテ・ポーヴェラ(Arte Povera)」といった芸術運動に属したアーティストの重要作品、イタリア人デザイナーのカルロ・スカルパ(Carlo Scarpa)やガエ・アウレンティ(Gae Aulenti)、オーストリア人デザイナーのフレデリック・キースラー(Frederick Kiesler)、フランス人デザイナーであり建築家のジャン・プルーヴェ(Jean Prouvé)といったミッドセンチュリーを代表するデザイナーの作品を含む唯一無二のコレクションである。その中心となるのは、アメリカ人建築家のリチャード・ノイトラ(Richard Neutra)によるロサンゼルスの「レヴィット邸(Levit House)」、ハンガリー人建築家のマルセル・ブロイヤー(Marcel Breuer)によるコネチカット州の「スティルマン邸II(Stillman II House)」、「ディーン&デルーカ(DEAN&DELUCA)」の創業者が暮らしたニューヨーク・ソーホー地区の象徴的な存在である「ディーン/セグリック・ロフト(Dean/Ceglic Loft)」という3つの重要な邸宅である。この建築物はそれぞれ、デザイン史におけるその時代と場所を定義しながら、現在そこに息づくモノによっても再定義されている。作者は、「情熱と欲望を追い求めることで、最も心地よく官能的な雰囲気が生まれる。それが映画や印刷物、旅行など、夢中になるようなあらゆる過去の経験を思い起こさせる。このような記憶こそが、すばらしい逸品を追求する私たちの取捨選択に影響を与えている」と語る。

本書は、示唆に富んだアートやオブジェ、インテリアの美しい写真群を通して、官能的でありながら解説的な役割も持ち、高度な選択を通した生き方の構想を記録している。フランス人キュレーターのフィリップ・ヴェルニュ(Philippe Vergne)は序文で、「ロニー・サスーンの才能は、アート、デザイン、建築、色彩(あるいはその欠如)を集約する不思議な能力である。それは、美の基準や日々の仕草の水準を高める意図的な決定の結果であり、作者と共有する空間、ジェスチャー、その時間に宿った精神は、寛容の瞬間である。」と語る。

by Ronnie Sassoon

REGULAR PRICE ¥14,300  (tax incl.)

hardcover
224 pages
240 x 290 mm
color
2022

published by AUGUST EDITIONS