JOHN BALDESSARI: CATALOGUE RAISONNÉ VOL.6 2011-2019 by John Baldessari
アメリカ人アーティスト、ジョン・バルデッサリ(John Baldessari)の作品集。作者の全作品を網羅するカタログレゾネの第6巻であり、シリーズ最終章となる。
本書は360点以上の作品を収録し、2011年から2019年にかけての作品の変遷と発展を辿る一冊となっている。あわせて1968年から2004年までの映像作品、1972年から2019年までに刊行された作品集もすべて掲載している。また、第1巻が出版された時点では知られていなかった1974年以前の作品も掲載されている。
この時期の作品では、デイヴィッド・ホックニー(David Hockney)、ジョット・ディ・ボンドーネ(Giotto di Bondone)、ギュスターヴ・クールベ(Gustave Courbet)、マリア・ラスニッヒ(Maria Lassnig)、ルーカス・クラナッハ・ザ・エルダー(Lucas Cranach the Elder)、ジョルジョ・モランディ(Giorgio Morandi)、ジャクソン・ポロック(Jackson Pollock)といった様々なアーティストの作品から借用するという長年用いてきた手法をここでも引き継いでいることが見て取れる。2012年に発表した「Double Bill」シリーズは、ジャン・デュビュッフェ(Jean Dubuffet)の作品の身体の上にウィレム・デ・クーニング(Willem de Kooning)の作品の顔を乗せ、その下に「...And Dubuffet」という言葉を添えるなど、2つの絵画を組み合わせて表現。アーティストと効果的にコラボレーションすることが作者にとって敬愛の意を含むことがわかる。このように、作者が前時代の美術に魅了され、強く関心を抱いてきたことが想像できる作品群が収録されている。
全巻を通して、エディトリアル・ディレクターはロバート・ディーン(Robert Dean)、リサーチ・エディターはパトリック・パルド(Patrick Pardo)が担当する。
A Brief History of John Baldessari by Bonjour Supermarché on YouTube