MOO by Tomoo Gokita
日本人アーティスト、五木田智央の作品集。2020年8月から9月にかけて「TAKA ISHII GALLERY(complex665)」で開催された展覧会「MOO」に伴い刊行された展覧会図録。
本書は、作者が同展に て発表したキャンバスにアクリル絵の具とパステルで多様な画題が描かれたペインティング作品と、展示風景にて構成されている。自らの技術やスタイルにとどまることなく、常に新たな領域へと挑戦し表現の幅を広げる作者のさらなる進化を窺い取ることができる1 冊。
展覧会プレスリリースより:
タカ・イシイギャラリーでは3年ぶり5度目となる本展では、国内では初めて、カラーのペインティング作品を発表いたします。
五木田は作品集『ランジェリー・レスリング』(2000年)を発表以降、木炭やインクで描いたドローイングや白黒のグワッシュで描いたペインティング作品などで多くの鑑賞者を魅了してきました。海外においても活躍の場を広げ高い評価を獲得しながらも、自らの技術やスタイルにとどまることなく、常に新たな領域へと挑戦し表現の幅を広げています。モノクロームの作品に加え、これまでに青色の単色で描いた作品、ステンシルを用いた作品、コラージュや立体作品など、豊かな視覚言語によって多くの作品を生み出してきました。本年に入ってからはカラーの作品を本格的に制作し、3月にイタリアで開催された個展は、カラー作品のみで構成された初めての展覧会となりました。
本展「MOO」ではキャンバスにカラーのアクリル絵の具とパステルで制作した最新作のペインティング作品を発表いたします。五木田はこれまで、海外の古い雑誌や印刷物、写真などからインスピレーションを得て作品を制作してきました。今回発表する作品は、これまでと異なり参照元が存在せず、自らの記憶にあるイメージやこれまで描いてきた経験の蓄積、あるいは偶発的に生まれた形など様々な要因が交錯し合い、其々の絵画が現在の形に辿り着いています。柔らかな色調と独自のカラーパレットを用いて多様な画題が描かれた作品は、自由に軽やかな表現と豊かなテクスチャーを備え、作家のさらなる進化を窺い取ることができます。制作プロセスやマテリアルの変化によって、作品があらたな段階へと華麗に結実していく様は、同時に揺るぎなく作品の根底に存在する五木田の絵画の本質をいっそう際立たせ、見る者に印象強く語りかけます。
記事:Features | Tomoo Gokita: MOO
五木田智央 × 鈴木聖 対談インタビュー(Fun Palace)
(Japanese & English text)