AUTOBIOGRAPHY N.12 by Claudia Comte

第12号は、スイス人アーティストのクラウディア・コント(Claudia Comte)。作者は、抽象的な背景に自然素材を用いたミクストメディアのインスタレーションや、生態系保護への関心で知られている。彫刻やインスタレーションとウォールペインティングを組み合わせ、遊び心のある視覚的なリズムで、作品が互いに関連し合うような環境を作り出すことが多い。作者の作品は、素材の記憶に対する興味と、手が様々なテクノロジーとどのように関係しているかの細緻な考察で定義されており、作者はさまざまな生命体の関係を理解することに注力してきた。素材は記憶を持つだけでなく、その素材が属する環境についての知識も持っている。大理石は、海を必要としており、水中の生命は結晶化し、その核は液体であるため、この素材を硬いと見るのは不確かかもしれない。木は、地球の気候条件と、空気、エネルギー、呼吸、成長、食料、保護を可能にする何千もの共生プロセスを具現化する森を“記憶”している。作者の作品は、環境、酸素、地球の条件があらゆる様式やオブジェの素材に与える影響について、私たちの視野を広げてくれるのである。

本作では、植物、動物、彫刻、人から成り立つ密なエコシステムで構成された、スイスのスタジオの環境を撮影した写真を通じて、自身の自伝を明らかにしている。それぞれの写真は、2020年から2022年までの期間中に日々や季節を通して、自身のiPhoneで撮影されたものである。

各号のアーティストの選定は、コレクターであり「coleção moraes-barbosa」を主催するペドロ・バルボーザ(Pedro Barbosa)、美術史家のアレックス・ベーコン(Alex Bacon)、ギャラリー「Studio Guenzani」を主宰するクラウディオ・グエンザーニ(Claudio Guenzani)、アーティストであり作曲家、タイポグラファーのミシェル・ロンバルデリ(Michele Lombardelli)、作家であり研究者、インドの「コーチ=ムジリス・ビエンナーレ」の発起人でもあるシュウェタル・アシュヴィン・パテル(Shwetal Ashvin Patel)、コレクターであり学者のクリストフ・シファーリー(Christoph Schifferli)、「homonymous publishing house」のディレクター、ヴァレンティノ・トニーニ(Valentino Tonini)が務める。

by AUTOBIOGRAPHY

REGULAR PRICE ¥3,080  (tax incl.)

softcover
64 pages
120 x 170 mm
color, black and white
limited edition of 500 copies
2023

published by TONINI EDITORE