BALTIMORE PORTRAITS by Steven Cuffie

ボルチモアを拠点に活動する写真家、スティーブン・カフィー(Steven Cuffie)の作品集。1976年から1985年にかけて、ボルチモアの家で写真家として生涯を過ごした作者が個人的に制作した二つの作品群を収録。末息子のマーカス・カフィー(Marcus Cuffie)が編集を手がけ、父親の遺産に関する序文を寄稿。作者亡き後、マーカスの姉が家中の様々なタンスにしまわれたプリントでいっぱいの箱をいくつも見つけ、マーカスとその兄弟によって写真作品が発見された。写真作品の整理作業を進めていく中、女性と子供という二つのテーマが明確に浮かび上がってきた。初期の作品の中では最も頻繁に取り扱われたテーマである。女性のポートレートは作者の独身時代に撮られたものであり、子供の写真は1970年代半ばに並行して撮るようになった。

ボルチモアと、そこに住む人々の生活ついての会話を拡げていく中で、(スティーブンの)作品はこの街の理解を深めてゆく。黒人であるという認識は1970年代に急速に発展し、この作品たちはその系譜に連なっている。写真に写る人々はただの被写体ではなく、ストーリーを語る上での協力者でもある。あの都市の厳しい真実を子供たちの笑顔が感じさせないのは、それは人生の一部分をなす要素のひとつでしかないと、彼らはわかっているからだ。女性のポートレートが撮られた親密な空間は、当時黒人であるということが意味することの外的な観念からは閉ざされているように感じられる。分類を求める政治から逃れ、鑑賞者を前にして、物語から解放された写真の中の人々は現実と変わらない姿をあらわにすることを許されている」ーマーカス・カフィー

by Steven Cuffie

REGULAR PRICE ¥6,050  (tax incl.)

softcover
144 pages
157 x 210 mm
black and white
2023

published by DASHWOOD BOOKS