WHAT SHE SAID by Deanna Templeton [SIGNED]
アメリカ人アーティスト、ディアナ・テンプルトン(Deanna Templeton)の作品集。
「週末だけが生きがいなのに平日と同じくらい最悪な時がある。つまらな過ぎて、もううんざり!朝目が覚めると99歳の老人みたいに感じる!疲れ切って、何もしたくなくて、みじめな気持ち。まだ15歳だっていうのに、どうしてこんな風になっちゃったんだろう。どうしてこんなに憂鬱なの?この世界はおかしい!みんな滅茶苦茶だ!私の頭がおかしいのか、兄が言うように変人なのかもしれない」
本書のタイトルはイギリスのロックバンド「The Smiths」の曲から由来している。その中にこういう歌詞がある。「What she said was sad / But then, all the refjection she's had / To pretend to be happy / could only be idiocy (彼女の言葉は悲しかった / でも全てを否定された悲惨さを思うと / 幸せなふりをして / 白痴の様にふるまうことしかできなかったのだろう)」本作は、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ロシアのストリートで撮影した少女たちのポートレイトから始まった。疾風怒濤の青春の日々を送るパンクスやホームレスの破れたジーンズやタイツ、タトゥー、ヘアスタイルは、彼女達が今まさに人生の過渡期を迎えていることの証である。作者が青春時代を過ごした1980年代と今では少女たちの見た目は違っていても、「女性の青春時代」には普遍的な何かがあることを作者は理解している。彼女達が感じている失望や直面している問題は、若き作者自身が体験したものとそう変わりはない。現代のポートレイト、ギグのフライヤー、1980年代半ばから後半にかけての10代の作者自身の日記を組み合わせ、誰もが経験する成長期特有の反抗心、ユーモア、悲哀の全てを赤裸々に描き出した1冊。
記事:普遍的な〈少女時代〉を捉えるディアナ・テンプルトンのポートレート(i-D JAPAN)
'What She Said' by Deanna Templeton by
MACK