ROOBARB AND CUSTARD

1970年代にイギリスで放映された子供向けアニメシリーズ「ルバーブ&カスタード(Roobarb & Custard)」の作品集。本シリーズは、1974年にイギリスの公共放送局「BBC」で初放映された。夕方のニュースの直前のプライムタイムに放送を開始してから数週間で、テレビのチャンネル数が主人公である犬ルバーブの足の指の数よりも少ない時代に大ヒットした。何百万人もの視聴者が、新たなヒーロー、ルバーブが人生最大の小さな問題に勇しく挑もうとする無秩序なアニメを毎日見るためにチャンネルを合わせた。

本シリーズは、イギリス人アーティストのグランジ・カルヴェリー(Grange Calveley)により生み出された。好奇心旺盛で楽天的なルバーブは、作者自身の愛犬のウェルシュ・コリーから由来している。初めて自宅に迎えた時、興奮して芝生を走り回り、庭のルバーブに「水やり」をしたことから名付けられた。隣家の皮肉屋でテンションの低いピンクの猫カスタードは、ルバーブのハイテンションにぴったりの箔付け役であり、もちろん、他のさまざまなキャラクターも加わり、線画で描かれた庭の広々とした空間で物語が繰り広げられた。

本作の独特なスタイルは、伝説的なイギリス人アニメーター、ボブ・ゴッドフリー(Bob Godfrey)によって演出された。CGが使われるようになるずっと以前から、アニメーションのコマを1つ1つ手で描き、独特の揺れや「沸騰」効果を与えていた。制作中、グランジは時々広告代理店の仕事をさぼり、ロンドン・ソーホーにあるパブ、「ザ・フレンチ・ハウス(The French House)」でボブと会うこともあった。また「ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ」の美術学生にハーフパイントを奢り、個々のドローイングの色塗りをしてもらっていたこともあり、まさにビール漬けのパンクな番組制作だった。第1シリーズの30エピソードでルバーブが色を変えたのは(実際変わっていた)、地元の文房具屋がマーカーペンの在庫を切らしていたからである。

当時はまだほとんど知られていなかったが、後に国民的俳優となったリチャード・ブライアーズ(Richard Briers)の声が本シリーズのアニメーションに見事に命を吹き込んだ。ブライアーズの口調とリズムは、ダジャレ満載のグランジの脚本に命を吹き込み、冒険に心温まる人間らしさを加えた。

また本シリーズの象徴的な音楽は、イギリス人作曲家のジョニー・ホークスワース(Johnny Hawksworth)とそのジャズ・トリオが担当。この特徴的なテーマ曲は、長年にわたってイギリスだけでなく世界中の何百万台ものテレビから流れた。2000年、この番組はイギリスの人気アニメ1位に選出され、2005年にはアーティスト、ジェイソン・タンメマギ(Jason Tammemägi)による39の新エピソードが制作され、新世代のファンに大好評を博した。

本書は、アニメシリーズのアートワークとスタイル、特に受賞した1974年の初回エピソード「When There Was A Spike」の冒険を称える内容となっている。本の中央にパラパラ漫画形式で掲載しており、400ページ以上にわたり5分間のエピソードを収録している。エピソードは右ページと左ページに200ページずつで分かれており、行き来することで全体を観ることができる。このパラパラ漫画の前後には、最初の30話より全てのヴィジュアル・エレメントを200ページ分収録。番組の独創性とアナーキーを見事に描き出し、その過程で当時のコントリビューターたちの創造性を際立たせ、イギリスのアニメーションの礎を称賛する一作である。

by Grange Calveley

REGULAR PRICE ¥10,450  (tax incl.)

hardcover
600 pages
170 x 170 mm
color
Edition of 1,000 copies
2023

published by IDEA