IT’S ALL FALLING APART by Soundwalk Collective

ベルリンとニューヨークを拠点に活動する現代音響アートを扱うプラットフォームであり実験音楽ユニット、「サウンドウォーク・コレクティヴ(Soundwalk Collective)」による音楽作品。このユニットは、フランス人アーティスト、ステファン・クラスニアンスキー(Stéphan Crasneanscki)とイタリア人サウンドアーティストであるシモーネ・メルリ(Simone Merli)から成る。

ベルリンを拠点とする独立系出版社である「Ediciones Inauditas」と、同じくベルリンを拠点とする現代美術・言論活動の場として在る「Neuer Berlier Kunsverein (nbk)」とのコラボレーション・シリーズ「n.b.k. Records」の第5弾。同シリーズは様々なビジュアル・アーティストの作品をLPとして発表しており、それ自体が美術作品として作られている。

このユニットのプロジェクトは、最終的な形になるまで何年もかかることがある。本企画は、ベルリンのクラブ、殊に「ベルグハイン(Berghain)」で録音されたフィールド・レコーディングをベースにしており、金属やコンクリートに直接固定したコンタクトマイク(※註)で捉えた素材、振動、反響を録音するところから始まった。この録音は、2019年に発表されたアルバムとインスタレーション作品「オシレーションOscillation)」で使用されただけでなく、結果この6つの新作に用いられる素材となった。モジュラー・シンセサイザー、アンビエント・ノイズ、会話の断片、そして歌と話し声によって新たに作られたヴォーカル・パフォーマンスが加えられたサウンドがブレンドされている。

本アルバムには、シンガーソングライターであるアニカ(Anika)、ミュージシャンでありDJのグドゥルン・グー(Gudrun Gut)、即興詩人でありビートプロデューサーであるエルヴィン・ブランディ(Elvin Brandhi)、DJでありプロデューサーのニーナ・クラヴィッツ(Nina Kraviz)とのコラボレーション作が収録されている。またオープニング・トラックの「The Crowd」は、作者と長年にわたるコラボレーターであるナン・ゴールディン(Nan Goldin)との新たな協働作品であり、ゴールディンが手がけた「n.b.k.」のビルボード・プロジェクト「The Crowd, Paternò」のために特別に制作された一作である。ゴールディンのパブリック・アート・インスタレーションは2022年にベルリンの公共空間に展示され、ゴールディンはこのアルバムのジャケットにその名を冠した作品を提供している。

『レコーディングの長い夜の間に、』ステファン・クラスニアンスキーは記憶を辿る。『ダンスフロアから離れ廊下や通路、トイレ、バックルームなど、クラブを歩き回って耳にした会話の断片を書き留めることを、当てもなく長い過程の中で思いついたんだ。私はそれをカットアップで集め、グドゥルン・グー、アニカ、エルヴィン・ブランディ、ニーナ・クラヴィズに、思うまま解釈してもらったり、歌ってもらったり、ささやいたり、朗読してもらったりした。』
- ジャン・イヴ・ルルー(Jean-Yves Leloup)のテキストより抜粋

※註 楽器などの音源に直接取り付けて使用する小型のマイクロホン

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by Simone Merli , Soundwalk Collective , Stéphan Crasneanscki

REGULAR PRICE ¥8,250  (tax incl.)

black vinyl in a sleeve
6 tracks / 34 min.37 sec.
312 x 315 mm
color
2024

published by EDICIONES INAUDITAS

published by NEUER BERLINER KUNSTVEREIN (N.B.K.)