モデルとしても知られるドイツ人アーティストのヴェラ・レインドロフ（Vera Lehndroff）と、同じくドイツ人造形作家のホルガー・トゥルシュ（Holger Trülzsch）の作品集。1970年代から1980年代という集中的な創作期間に、絵画・写真・パフォーマンスを総合したボディ・ペインティングという異例かつ革新的なステージド・フォトグラフィーの作品を制作した。本書では、作者の一連の作品、アメリカ人作家のスーザン・ソンタグ（Susan Sontag）やゲイリー・インディアナ（Gary Indiana）のエッセイなどといったアーカイブ資料の複写、アメリカ人評論家のリチャード・ミラッツォ（Rechard Milazzo）やドイツ出身の美術史家でありジャーナリストのヨルグ・シェラー（Jörg Scheller）からの寄稿、文脈に沿った解説や参考画像を織り交ぜることにより、作者の芸術作品に新しい観点からのアプローチをおこなっている。本書は20世紀の後半の歴史と現代美術を背景に、ジェンダー・アイデンティティと女体の扱われ方の変遷を辿るものである。

ヨルグ・シェラーとリチャード・ミラッツォが執筆、ドイツを拠点とするデザイナーのチャン・ヨン・ラマート（Chan-Young Ramert）がデザインを担当する。