フランスのギャラリストであるイヴォン・ランベール（Yvon Lambert）の作品集。その優れた慧眼をもって 1960年代よりギャラリーを構え、パリのコンテンポラリー・アート界をリードし続けたイヴォン・ランベール。1965年に最初のギャラリーをオープンして以来、常に同時代において最も大胆に世の創造性を支援し続けてきたその嗜好と情熱を通じ、過去60年間分のコレクションをもって芸術性の肖像を描く一冊。

本書は「フランス国立造形芸術センター（Centre national des arts plastiques / Cnap）」、「コレクション・ランベール（Collection Lambert）」、「エディシオン・ディレクタ（Éditions Dilecta）」の共同刊行であり、イヴォン・ランベールが寄贈した約600点の作品の中から、250点以上の特にシンボリックな作品を紹介する。2012年にフランス国家へ寄贈し、現在「フランス国立造形芸術センター」によって保存されている作品群は、パリとニューヨークの様々な関連スペースで開催された展覧会の際に入手した作品、またはアーティストから直接入手した作品によって構成されている。フランスの公的コレクションではほとんど紹介されることのないアーティスト達の作品群からなり、その驚くべき豊かさが際立つラインナップである。

美術史家や批評家を招き、この類まれなるコレクションを取り上げることで、現代美術の歴史を形成してきた美的かつ社会的な動きと関連付けている。1960年代から世紀の変わり目において発生したさまざまな芸術運動や表現、栄枯盛衰、世代、美術のジャンルを学際的に扱う一冊。