ENSEMBLES by Éléonore False
フランス人アーティスト、エオノーレ・
「エレオノーレ・ファルスの作品の大半は、本が出発点である。そこで彼女は、ページから直接選り抜いたイメージや、複製したイメージをあさる。そして、切り取られたフォルムとその残骸を透明なフォルダーに詰めたバインダーの中で、最初の空間づくりが行われる。この要素の配置は固定されたものではなく、順序や年代も決まっていない。
彼女にとって初の作品集となる本書では、このようなバインダーから抜粋したものを、少しずつ縮尺を変えながら載せている。グラフィックデザイン事務所であり、本書の版元の「EMPIRE」も運営する「Syndicat」とともに、ファルスはこの直感的なアッサンブラージュと偶然に生まれた並びを初めてこの本で固定した。その結果生まれた構図は、カメレオンを有機物が織りなすさまざまな地層の上に重ねたように、ときおり即時に明快な特徴が表れてくる。また、さまざまな図像のオリジナルの状態を垣間見ることができたり、非常に多様な形式的語彙を特徴とするものもある。たとえば、赤いリップが塗られた唇が縦に向いて作られた光沢のあるイメージが生み出すページ全体の視覚的な力、あるいは、注意深く計画的に準備された上で顔のシルエットをはっきりと見せる白紙のページ上の逆説的な形を喚起させる力、などである。
バインダーの中身を再現した本書のページには、5つの作品群が散りばめられている。それぞれのアンサンブルの中で、数点の異なるシリーズ、類型、瞬間が交錯し、交互に現れてくる。それは、彼女の過去の展覧会から生まれたものに加えて、新たな関係が浮かび上がってくるためである。そこに、5人の作家がそれぞれ特定のアンサンブルに焦点を当てながら、ファルスの作品とその周囲に関する文章を提示する。そこに、彼女が10年以上にわたり行ってきた実践をたどるべく、キュレーターでありミュージアム・マネージャーのキャシー・アリウ(Kathy Alliou)がインタビューの中で彼女の言葉に寄り添っている。」
マティルド・ド・クロワ(Mathilde de Croix )