BILDER 2005-2016 by Fabian Marti

スイス人アーティスト、ファビアン・マルティ(Fabian Marti)の作品集。本書は作者の視覚の世界を行く旅である。宇宙を思わせるモノクロの景色に、時々登場する色がアクセントを添えている。乳白色の水晶、岩の洞窟の灰褐色、柱が立ち並ぶギリシャの遺跡の砂のような淡いベージュ。錬金術的なフォトグラムのプロセスの副産物としての色。形は奇抜だが見覚えのあるものばかり。作者はシンボルを再解釈し、近代以降の文化的な歴史を再考する。過去と現在が一斉に溶け合う時間の中を行く旅なのである。デジタルとアナログが一体化し、キノコ、石、トーストに両手とスキャンされた物体が姿を現す。どこから見つけてきた写真を加工したものもある。本書は薬物や形が引き起こす変性意識状態をテーマとする。精神的な物の見方や神秘的な体験と、これらに対する反証についての本である。暗く悲しいものでも、重苦しくもないが、瞑想的で意識は冴えわたっている。イエスとノーの間を振り子のように揺れ動いているようでもある。エリック・デイヴィス(Erik Davis)とアイルランド人フォトグラファーであるポール・J・エニス(Paul J. Ennis)のエッセイを収録。2016年度『Most beautiful Swiss books』賞受賞作。

by Fabian Marti

REGULAR PRICE ¥6,500

hardcover

224 pages
210 x 315 mm
color
2016

published by EDITION PATRICK FREY