イタリア人建築家、アルド・ロッシ（Aldo Rossi）の作品集。本書は、2022年4月から10月に版元である「Silvana Editoriale」の協力のもと、「ノヴェチェント美術館（Museo del Novecento）」で開催された展覧会に伴い刊行された。多くの人々が知る「アレッシィ（ALESSI）」のケトルから、1979年に「ヴェネツィア・ビエンナーレ」のために手がけた海に浮かべられる「世界の劇場」をモチーフとしたコーヒーポットまで、幅広く作品を収録したカタログ・レゾネであり、「Silvana Editoriale」が刊行する20世紀に活躍したイタリアのデザインの巨匠を取り上げるシリーズの1作として制作された。

作者は、1960年代の活動初期からこの世を去る1997年までの40年以上にわたり建築、ドローイング、都市デザイン論、プロダクトデザインという4つ異なる分野において国際的に高い評価を得てきた。金属と木、大理石と石材、陶器と磁器、職人の手によって作られた生地と商業製品としての生地、プラスチックなど、無数の素材を組み合わせて形や色を実験的に扱い、そこから生まれた未発表のデザイン作を含む70以上の作品を収録。とりわけ、1960年に建築家のレオナルド・フェラーリ（Leonardo Ferrari）と共に手がけた家具から、「アルテミデ（Artemide）」、「デザインテックス（DesignTex）」、「Bruno Longoni Atelier of furniture」、「モルテーニ（MOLTENI & C）」、「リチャード ジノリ（Richard-Ginori）」、「UniFor」、「ローゼンタール（Rosenthal and Up & Up）」などの工業製品まで、その作品の変遷に焦点を当てている。