POSE: CARRYING CHAIRS THROUGH THE CITY, SITTING DOWN HERE AND THERE, PHOTOGRAPHED, PIX LEFT ON SPOT, GOING ON, 1970 by Allan Kaprow
アメリカ人パフォーマンス・アーティスト、アラン・カプロー(Allan Kaprow)のマルチプル作品。1970年3月から5月に「マルチプルズ・ギャラリー(Multiples Gallery)」で開催された展覧会「Artists & Photographs」で発表され、19名のアメリカ人およびヨーロッパ人アーティストが寄稿したマルチプル作品を一つの箱に収めた1,200部限定の「Artists & Photographs Box」のうちの1作品。
作者と友人たちが、椅子を担ぎながらカリフォルニア州のバークレー周辺を歩き回った2日間のパフォーマンスを記録した一作。定期的に写真が撮影され、その写真は椅子を設置して座った場所に残された。このパフォーマンスの記録は、バラバラの7枚の紙に印刷され、黄土色のマニラ封筒に収められている。
「マルチプルズ・ギャラリー」を主催する「Multiples, Inc.」は、現在ギャラリストとして「Marian Goodman Gallery」を営むマリアン・グッドマン(Marian Goodman)を含む5人により、1965年に設立された。1966年から1992年に解散する30年近くもの間、20世紀で最も重要なアーティストたちのエディションを出版し、アート界に大きな影響を与え続けてきた。
本作および本展は、当時の新世代アーティストたちが自身の作品を展示するにあたり、今までと違う方法を模索していたニーズに応えるべく、「Multiples, Inc.」が企画した。本企画は、「写真」を伝統的なメディアとしてではなく、アートにおけるプロセスやコンセプチュアルな作品を記録するために用いた。ボックスは、オブジェクトとしての作品ではなく、一つの箱の中にモノクロのオフセット印刷で制作された多様なフォーマットを用いた本、パンフレット、リーフレット、フォルダーが収められていた。
このボックスは、型破りなアーティスト陣の人選、さまざまな形式から浮かび上がる彼らの個性、そして写真という媒体に対する今までと全く異なるアプローチが作品群から垣間見え、際立った存在感を放つものであった。当時商業的に成功したはと言えなかったが、現在では芸術的ランドマークとして重要視されている。
マリアン・グッドマンは、「マルチプルのマルチプル」であり、「ポータブル・ミュージアム」であり、「おもちゃ箱」でもあるこのボックスを、自身が出版に携わってきた長いキャリアの中でも最もエキサイティングなプロジェクトの一つであると認識している。
本作および本展を紹介するブロッシャーのテキストは美術評論家でありキュレーターのローレンス・アロウェイ(Lawrence Alloway)、ボックスのデザインはダン・グレアム(Dan Graham)が手がける。
「Artists & Photographs Box」参加作家:
アラン・カプロー(Allan Kaprow)、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)、ベルナール・ヴェネ(Bernar Venet)、ブルース・ナウマン(Bruce Nauman)、クリスト(Christo)、ダン・グレアム(Dan Graham)、デニス・オッペンハイム(Dennis Oppenheim)、ダグラス・ヒューブラー(Douglas Huebler)、エド・ルシェー(Ed Ruscha)、ヤン・ディベッツ(Jan Dibbets)、ジョセフ・コスース(Joseph Kosuth)、メル・ボックナー(Mel Bochner)、マイケル・カービー(Michael Kirby)、リチャード・ロング(Richard Long)、ロバート・モリス(Robert Morris)、ロバート・ラウシェンバーグ(Robert Rauschenberg)、ロバート・スミッソン(Robert Smithson)、ソル・ルウィット(Sol LeWitt)、トム・ゴームリー(Tom Gormley)
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EXHIBITION:
Multiples
会期:2024年3月16日(土)- 4月27日(土)
休廊日:日・月曜日(火曜日はアポイントメント制)
時間:11:00-17:00
開催場所:OSCAAR MOULIGNE
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