FELIX GONZALEZ-TORRES by Felix Gonzalez-Torres

キューバ人アーティスト、フェリックス・ゴンザレス=トレス(Felix Gonzalez-Torres)の作品集。2017年にNYのギャラリー「DAVID ZWEINER」で開催された展覧会に伴い刊行された。本書では会場で展示されていたインスタレーション作品を中心に、ギャラリーという特定の建築物と作品の置かれ方との間に生じる相互作用を考察し、空間と作品がどのように影響し合うかを探る。会場、観客、分脈の介入に対して作者が根本的に寛容である故に、展示空間や公の場、作品そのものを構成するということに対する認識に常に挑んでいる。その作品の多くが確固たる抽象性を持っている一方で、自身と恋人の2人分の体重と同等のキャンディーを床に敷き詰め観客に持ち帰ることを許可するインスタレーション作品を見るとわかるように、ベッドや電球、時計、鏡、紙片など身近な素材を作品に用いる。その空間と鑑賞者の身体性、過去、そして現在のスイッチを入れ、それぞれに常に関連性を持たせている。

本書の構成は、まず展覧会の詳細と来場者の写真で始まり、各作品を展覧会と同じ順で紹介する。さらにキュレーターであり「ホイットニー美術館」のディレクターであるデイヴィッド・ブレスリン(David Breslin)によるテキストによって、作者が美術史に貢献してきた系譜とその作品の多様性を理解することができる。

by Felix Gonzalez-Torres

REGULAR PRICE ¥7,480  (tax incl.)

hardcover
112 pages
216 x 298 mm
color
2018

published by DAVID ZWIRNER BOOKS