FRANÇOIS HALARD 2: A VISUAL DIARY by Francois Halard
フランス人フォトグラファー、フランソワ・アラール(François Halard)の作品集。作者は過去40年間、アートやインテリアデザイン、カルチャーの世界において最も特別な視点を持って活動してきた人物と言える。「ヴォーグ(Vogue)」誌や「ワールド・オブ・インテリア(World of Interiors)」誌のフォトグラファーとしてその地位を築き上げ、世界で最も愛されている数々の空間を捉えてきた。その多くは、「RIZZOLI」より刊行された作品集に収められており、本書はその第二弾である。(第三弾はこちら)
本書では、著名なデザイナー、アーティスト、流行を生み出してきた人々にまつわる見事なインテリア空間を撮影した、作者の豊かな作品群を紹介している。作者随一のレトロな優美さ、ボヘミアン的自由奔放さ、親しみやすいパーソナルさを備えた写真の感受性は紛れもない唯一無二のものである。一つ一つのイメージにはデザイン史の深い知識が染みわたっており、それぞれの物語は一巨匠の視点が与える教訓となっている。
本書は荘厳なインテリア、アーティストのアトリエ、建築的聖地などの素晴らしい写真を収めた前作の続編である。それぞれの物語の題材は単なる写真家の個人的な情熱というだけでなく、デザイン史において必要不可欠な一つの章でもある。アメリカ人建築家であるフィリップ・ジョンソン(Philip Johnson)とアメリカ人ファッションデザイナーであるチャーリー・ジェームズ(Charles James)の「デ・メニル邸(de Menil House)」、イタリア人画家、ジョルジョ・モランディ(Giorgio Morandi)のアトリエ、アメリカ人ファッションデザイナー、リック・オウエンス(Rick Owens)の先鋭的なパリのアパートメント、アイルランド出身のプロダクトデザイナーであり建築家のアイリーン・グレイ(Eileen Gray)のフランス海岸にある近年修復されたモダニズム建築の邸宅、ベルギー人ファッションデザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dris Van Noten)の緑豊かな庭と自邸、フランス人アーティスト、ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois)のニューヨークにある家とスタジオなどが挙げられる。第一作目がそうであったように、全てのインテリア、華やかさ、スタイルを愛するものにとって垂涎の的となる、必携のビジュアル・リソースとなることだろう。