「ギルバート＆ジョージの『 NEW NORMAL PICTURES』は、『the day the world turned Day-Glo』という古いパンクソングの歌詞が現実になったことを示唆している。どこを見ても暗いのに眩しすぎる世界では、互いに競い合う色彩が強烈なコントラストを織りなしている。架空の都市の通りや路地、並木道では、時間と時制が再編成され、緩慢な時の流れが加速され、瞬間が停止されたように見える。見過ごされ、打ち捨てられたものたちが再び存在感と意味を手に入れる。通常のヒエラルキーは逆転し、放棄されたものが支配する」– マイケル・ブレイスウェル（Michael Bracewel）

イギリス現代アート界を代表するアートユニット、ギルバート&ジョージ（Gilbert and George）の作品集。2021年春にロンドンのギャラリー「White Cube」で開催された同名の展覧会に伴い刊行された。ブックデザインはアーティスト本人が手掛けた本書は、豊富な図版と小説家マイケル・ブレイスウェル（Michael Bracewell）によるエッセイを収録。展示された全作品の形状に対応するために横長の装丁となっている。一部の写真には、アーティスト自身によるユーモアと洞察に満ちたキャプションが添えられている。

「すべての人に芸術を（Art for all）」をスローガンに掲げる2人は、展覧会の際には欠かさずカタログを作ってきており、直筆サイン入りのポスターを販売することも多い。