LA CASA DENTRO by Formafantasma [NUMBERED]
オランダ・アムステルダムで活動するイタリア人デザイナー アンドレア・トレマルキ(Andrea Trimarchi)とシモーネ・ ファレジン (Simone Farresin)によるデュオ「フォルマファンタズマ(Formafantasma)」の作品集。2024年4月から7月にかけてミラノの「ICA Milano」、2024年10月から11月にかけてローマの「Galleria Giustini / Stagetti」で開催された展覧会に伴い刊行された。タイトルは英語で「The Home Within」を意味する。
この展覧会は、「家」という概念に焦点を当てた機微な考察を構築している。物理的な空間として、また個人的なアイデンティティや記憶の集合と結びつくテーマや複雑な人間関係として、「家」を探っている。モダニズムの規範を批判的に取り上げ、そのジェンダー的な性質と、保守的な男性性理解に根ざしていることを強調している。モダニズムは20世紀初頭、産業の革新と並行して、19世紀における折衷主義の「女々しさ」の特徴を非難するものとして発展した。アドルフ・ロース(Adolf Loos)やアンリ・ヴァン・デ・ヴェルデ(Henry van de Velde)といった建築家たちは、シンプルさ、真実性、誠実さを提唱し、こうした穏健で合理的な「男らしさ」と、それまでの様式に見られた感傷的で装飾的な特徴を対比させた。
作者の作品は、モダニズムの家具作りの定番である曲げ加工を施された金属チューブから離れ、家庭での生活体験と、建築やデザインに関するモダニズムのイデオロギーに対する知的な理解との間の緊張関係を綿密に検証する。
展示された作品は、合理的でありまるで外科手術のような湾曲したスチールを用いた構成と、刺繍やペイントされた花柄、シルクのひだで飾られた木の板を並べ、作者の幼少期の家庭の記憶を文脈に表現されている。
作品群は極めて個人的なものでありながら、モダニズム・デザインの規範を変えようとする試みであり、専門的な教育過程を、必然的な規範の押し付けであると見なしている。本作は、記憶、失われたものへの郷愁、そして完全に0から学び直すことの不可能性さへの黙考なのである。
「ICA Milano」の設立者でありディレクターのアルベルト・サルヴァドーリ(Alberto Salvadori)、批評家でキュレーターでのアレッサンドロ・ラボッティーニ(Alessandro Rabottini)がテキストを寄稿する。