UNDER MY SKIN by Hermann Nitsch
オーストリア人アーティスト、ヘルマン・ニッチュ(Hermann Nitsch)の作品集。
本書は、『PERSONAL STRUCTURES ART PROJECTS』の一環で刊行されており、アーティストのレネ・リートマイヤー(Rene Rietmeyer)が企画し、オランダ人アーティストでありキュレーターのカーリン・デ・ヨング(Karlyn de Jongh)、美術史家のサラ・ゴールド(Sarah Gold)がアーティスト陣と密に協働しながら本シリーズの制作にあたっている。
本書は『PERSONAL STRUCTURES ART PROJECTS』シリーズの第2作目。250部限定で刊行され、最初の50部はデラックス版(#1-50)、次の50部は非売品(hors commerce / H.C. / #I-L)として制作された。本ページで掲載しているものは、150部限定で発行された、#51-200がナンバリングされたスタンダード版である。
作者は、1960年代のウィーンにおいて展開した身体加傷を伴う過激なパフォーマンスを行なった一派「ウィーン・アクショニズム(Wiener Aktionismus)」の一員である。「Aktion(アクション)」と題された作者のパフォーマンスは、1960年にウィーンで初回が公演されて以来長年継続された。デ・ヨングとゴールドは、2010年にイタリア・ナポリの「ヘルマン・ニッチェ美術館(Museo Hermann Nitsch)」にて行われた130回目の公演「130.Aktion」に裸で十字架に磔にされる役として参加した。本書は、本番前のリハーサル期間の1週間にデ・ヨングとゴールドと作者が毎日交わした対話の記録である。人生の経験や、作者が主宰した「Orgies-Mysteries Theatre(OMシアター、秘儀祭と神秘の劇場)」について語り合った内容が、3人の日記形式で綴られている。付属のDVDには、「130.Aktion」の映像が収録されており、作者を訪れた二人が聞き、味わい、嗅ぎ、感じ取った経験を垣間見ることができる。